理容師を目指したきっかけ
バーバーなび:こんにちは。本日はよろしくお願いします。まずは、吉田さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。
吉田氏:高校時代はあまり勉強に熱心ではなく、高校三年生のとき、先生から「このままだと卒業も難しいぞ」と言われました。そんなとき、学校には「一人一研究」という制度があり、何か一つのテーマを調べて作文などにまとめて提出すれば、卒業のチャンスがあると教えてもらいました。当時、心霊やオカルトが流行していて、私自身も興味があったため、それをテーマに研究し、無事に卒業することができました。つまり、もともと理容に特別な興味があったわけではなかったんです。
しかし、卒業後の進路を考えたとき、一番身近にあったのが父の営む理容室でした。父は長年、理容師としての姿を見せてくれていましたし、理容組合の知り合いに推薦状を書いてもらう話もありましたが、父が「続くかどうかわからないから」と断ってしまいました。そこで、自力で中央理美容専門学校の試験を受けたものの、不合格。そんなとき、偶然知り合った方から、母の母校でもある窪田理容美容専門学校で三次募集が行われていると聞き、「一緒に受験してみないか」と誘われました。試験を受けたところ無事に合格し、素晴らしいクラスメイトにも恵まれ、無事に卒業することができました。
バーバーなび: 専門学校卒業後の進路については、どのように考えましたか?
実家に父の理容室があり、学校にも多くの求人があったため、どの道を選ぶべきか悩みました。しかし、父から「仕事にきちんと向き合うために、実家ではなく他の場所で修行したほうがいい」と勧められました。その言葉が大きな後押しとなり、最終的に新たな環境で修行を積むことを決意しました。
バーバーなび:理容以外の職業を考えたことはありましたか?
吉田氏:正直、遊びたい気持ちも強かったので、アルバイトで理容以外の仕事も経験しました。その中で、一時は料理人という選択肢も考えました。しかし、厨房での仕事を任されるようになると、土日のシフトに入ることが必須となり、「遊ぶ時間がなくなる」と思って辞めてしまいました。その様子を見ていた父は、「理容も続かないだろう」と思っていたかもしれません。もし実家で修行していたら、甘えが出てしまい、きちんとした理容師になれなかったのではないかと思います。
バーバーなび: 修行先ではどのような経験をされましたか?
吉田氏:修行先のオーナーには、とても恵まれました。見た目はいかつい方でしたが、誰よりも早くサロンに来て営業準備をする方でした。「新人だから早く来るべき」と押し付けるのではなく、「寝坊すると準備がバタバタしてしまうから、早く来たほうがいい」と、自ら行動で示してくれる方でした。本当に良い環境で学ぶことができたと思いますし、他の修行仲間からも「いい修行先に出会えたね」と言われることが多かったので、心から感謝しています。
バーバーなび:そういった経緯があったんですね。貴重なお話をありがとうございます。